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豚がつづる読書ブログ
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切り裂きジャックの告白 刑事犬養隼人 (角川文庫) 切り裂きジャックの告白 刑事犬養隼人 (角川文庫)
中山 七里

KADOKAWA/角川書店 2014-12-25

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★★★

東京・深川警察署と目と鼻の先にある公園でほとんどの内蔵が持ち去られていた無残な死体が発見される。
事件から間もなくテレビに「ジャック」を名乗る人物からの犯行声明が送られてきた。
十九世紀の切り裂きジャックを想起させるその行動はマスコミの扇動的な報道によって発表され、動揺した国民たちは警察に非難を浴びせる。
そして第二、第三の事件が発生し、捜査一課の犬養たちは事件の背後に臓器移植が関係することを突き止めたが―。

臓器提供の是非を考えさせられる、社会派ミステリ。

日本における臓器移植の現場が抱える問題が興味深く、ドナーやレシピエントの苦悩や葛藤にも言及していて知的好奇心が刺激されました。
自分や家族が脳死に至ったらどうするだろう、と想像しながら読み進めたのでかなり引き込まれました。

スピーディーな語り口と山場だらけの展開に手に汗握りましたが、ツッコミどころもたくさんあったような・・・。

切り裂きジャックをモチーフにしたもののそれを活かしきれていないし、ミスリードを誘う手口は紋切り型でバレバレだし、ステレオタイプな登場人物は魅力が感じられない。
読み終えた後にハテナ?と思う点が多くて、ちょっと話のたたみ方が雑だと思いました。

(2015年7月読了)
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鬼の跫音 (角川文庫) 鬼の跫音 (角川文庫)
道尾 秀介

角川書店(角川グループパブリッシング) 2011-11-25

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★★★★

ホラー色の濃い6編のミステリ短編集。

乱歩作品を想起させるような怪しく淫靡な雰囲気のお話が多いので、設定や話の運びにどこか既視感を感じるものの、読み手にそんなことを気にさせないほどの吸引力がありました。

論理では割り切れない幻想と現実のあいだを浮遊しながら、どちらに転んでもおかしくない危うさを孕みつつ、最後には理屈上も納得できる形に着地してみせる手さばきにはいつもながら感嘆させられます。

狂気に囚われた人間が織りなす救いの無い話ばかりなのですが、無限に続く悪夢から覚めずにまどろんでいたいような気がしました・・・。
快楽と恐怖は似ているのかもなあ・・・と、読後も余韻を引きずって現実に戻るのがちょっとイヤでした。

(2015年3月読了)
孤虫症 (講談社文庫) 孤虫症 (講談社文庫)
真梨 幸子

講談社 2008-10-15

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★★★

恵まれた環境にある専業主婦の麻美は週に三度、夫以外の男と身体を重ねていた。
しかし彼女と関係を持っていた男が謎の奇病で次々と死亡していく。
自分の体にも異変を感じた彼女は性病に関する本を読み、虫にとりつかれる幻想に侵されていくが…。

真梨幸子さんのデビュー作。
デビュー作には作者の全てがつまっているといいますが、正に、この作品は荒削りながらも真梨さんの原点。
そのせいか、生理的に人を嫌悪させるえぐさが凝縮されていて時折り喉の奥からこみあげてくるえずきを抑えるのに苦労しました。

女性同士ならではのマウンティングや嫉妬と羨望が増幅する人間模様によって引き起こされるおぞましい犯罪など、後年の作品にも脈々と息づく要素が盛り込まれ、節操ない欲望がうずまく猿芝居のオンパレードに窒息すること請け合い。

しかし、まだ物語の進行にばらつきがあり、謎を回収するので精いっぱいの最後の駆け足っぷりのおかげで失速感が目立ってしまった印象でした。

まあ、ストーリーテリングは今後期待ということで・・・、
真梨さんは最初からこんな作風だったんだなあと独特の世界にひたることができたので有意義な読書時間を過ごせました。


(2015年7月読了)
FOR RENT ―空室あり― (幻冬舎文庫) FOR RENT ―空室あり― (幻冬舎文庫)
森谷 明子

幻冬舎 2012-10-10

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★★★

幼い頃に自動車事故で亡くなった父親の死には、隠された秘密があったのか。
同棲相手の反対を押し切り、19歳の青年は昔暮らして居た町を訪れ、過去を探り始める。

過去を探る過程で偶然出会う人々の小さな謎も解決していき、本筋の謎のたくさんの伏線を拾いながら読んでいくのが楽しかったです。

そんな凝った構成なのですが、その反面、全体的にバランスが悪くまとまりを欠いてしまっているようにも思えました。
結論の方が最初にありきで、この結論に持っていくための謎という印象が強く、最後は失速感が否めません。
構成が面白いのに勿体ないと思っちゃいました。

(2015年4月読了)
金融探偵 (徳間文庫) 金融探偵 (徳間文庫)
池井戸 潤

徳間書店 2007-07-15

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★★★

不況のあおりで銀行を退職した元銀行員が、その銀行員時代のノウハウを活かして様々な事件を解決するというミステリー短編集。

銀行の融資担当だった知識を生かし金融絡みのトラブルを解決していく、というあまり見たことの無い切り口で描かれるので中々楽しめました。

他の作品のような社会に訴えかける強いメッセージ性はないのですが、身近な市井の問題を軽快に描いているし、半沢のような超人的な銀行マンではなくちょっと頼りない銀行マンを主人公に据えているという点で親しみが持て、読みやすかったです。

(2015年7月読了)
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プロフィール
HN:
sis
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趣味:
読書
自己紹介:
読むのがすごく遅いけど、小さい頃から本を読むのが大好き。

大好きな作家は、ジョン・アーヴィング、筒井康隆、津原泰水、中上健次、桐野夏生、北村薫、金井美恵子、梨木果歩。

コンプリート中なのは宮部みゆき、恩田陸、松尾由美、三浦しをん、桐野夏生、北村薫。今のところ、多分著作は全部読んでいます。
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