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豚がつづる読書ブログ
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深く深く、砂に埋めて (講談社文庫) 深く深く、砂に埋めて (講談社文庫)
真梨 幸子

講談社 2011-08-12

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★★★

かつて一世を風靡した美貌の女優・野崎有利子。
奔放な彼女に魅了された男たちは彼女の為に浪費し朽ち果てる。
そんな男たちの一人が、殺人と詐欺の容疑で逮捕された。はたして有利子は悪女か、それとも聖女なのか…?

あいかわらず、どろどろの人間関係を錯綜させる真梨幸子劇場の通常営業です。

絶世の美女の有利子に翻弄される周囲の人たちの視点で話は進んでいきます。
有利子にかかわると周りの人間はほぼ全員人生のバランスを欠き、どこか歪んでいってしまいます。
人を狂わす磁場のような有利子なのですが、彼女視点の語りは無いので真の思惑がわからず、結局彼女が無自覚だったのか悪女だったのか謎のまま。
女の不自由な生きざまが哀しく、侘しい。

終盤は展開が急すぎて、なんだか雑。
つっぱしる筆の走りに読者が置いてけぼりに。

先に『女ともだち』を読んでおかないと意味不明な部分があるらしく、まだ未読だった私は残念でした。

(2016年11月読了)
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ソロモンの犬 (文春文庫) ソロモンの犬 (文春文庫)
道尾 秀介

文藝春秋 2010-03

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★★★

大学生の秋内が突然雨に降られて喫茶店に入ると、そこに同級生の京也、ひろ子と智佳が偶然やってきた。
秋内は3人に「この中に人殺しがいるのかいないのかをはっきりさせよう」と告げる。
そして2週間前の事故について語られていく…。

序盤は、恋には奥手でメッセンジャーのバイトをしているごく普通の大学生男子の青春生活が活写されています。
作者にはいつも騙されてばかりなので、伏線が無いかどうか目を皿のようにして読みましたが・・・全然わからず。
大学生にしては幼い主人公には裏があるんじゃないかとか、いまいち何を考えているか底が知れない友人たちの言動をくまなくチェックしたりしましたが、今回もまんまと騙されました…。

作者の卓越したミスディレクションに転がされて今回も真実にたどり着けなかったのですが、論理的には綺麗に解決しているとは言いがたいような…、説得力に欠ける気がしました。

動物の生態をうまく使った点はギミックが効いていて面白かったのですが、トリックありきの謎という印象が強く、登場人物たちの薄っぺらさ同様、あまりそそられませんでした。

あと、道尾さんの作品って〇〇がひどい目に遭う話が多いので、どうにも辛いです。
どうしても慣れない。何とかならないのか…。

(2016年11月読了)
にわか大根―猿若町捕物帳 (光文社時代小説文庫) にわか大根―猿若町捕物帳 (光文社時代小説文庫)
近藤 史恵

光文社 2008-03-12

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★★★★


猿若町捕物帳シリーズ3作目。

前作までの長編とは違い、今回は「吉原雀」「にわか大根」「片陰」の3編収録の中編集。

どの話もどこか心に引っかかりが残り、苦い味わいがたまらないです。
吉原の花魁、女形の役者といった一見華やかな世界で生きる人々が見せる哀切や鬱屈の凄みに魅せられます。
謎の背景にある人間関係を丁寧に明らかにしていくことで見えてくる悲しい真実に、心を揺さぶられました。

どのお話も良かったのですが、最初のお話の「吉原雀」が好みでした。
吉原で3人の遊女が相次いで死に、連続の死に不審を抱いた同心の千蔭は死因も異なるそれに関連性を見出すことはできず。
しかし、彼女たちを結ぶ「雀」というキーワードにやがて千蔭は気がつき、真相にたどりつく…というお話です。

吉原という特殊で閉鎖的な空間でしか起こりえない真相の意外性には驚かされます。
読み手をミスリーディングに導く手腕もさることながら、男性優位の社会に生きる現代の女性にも通じる「籠の中の鳥」というままならぬ悩みを描いており、うまく現代を照射していると思いました。
こうした点は前作の「ほおずき地獄」にも見られたので、今後も複雑な縒り合された謎解きを楽しむとともに、様々な事情を抱えた女性キャラクターたちの心情の変遷を描いてくれるものと思われます。
わたしは女性なのでそういう展開が大好物なのです。次巻も楽しみです。

それにしても、カタブツの千蔭が新たな女性キャラに毎度振り回されておろおろしてるのは読んでて楽しいですね~。
次巻でも新たな恋?のお相手が現れるんでしょうか。。

(2016年11月読了)
薔薇を拒む (講談社文庫) 薔薇を拒む (講談社文庫)
近藤 史恵

講談社 2014-05-15

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★★★

両親を亡くし、施設で暮らす17歳の博人。
人里離れた洋館で住み込みで3年間働けば大学の学費と生活費を負担してくれるという仕事に惹かれ、同い年の樋野とともに屋敷で博人は働き始める。
屋敷の娘・小夜に博人は恋心を抱き、穏やかな生活を送るが、殺人事件が起こる。

なぜ暗い過去を持つ少年二人が集められたのか、屋敷の人々が持つ秘密は何なのか、物語が進むごとに少しずつ明かされていきます。
非日常の世界に漂う不穏な空気はとってもスリリングで、ページをめくる手が止まりません。

ミステリーとしてはちょっとありがち。
謎の論理的帰着に納得するというよりも、物語の退廃的な雰囲気にときめきながら読むという方向で楽しみました。

むしろ理詰めの思考はいらないかも。
それは物語の優美な雰囲気を遠ざけてしまうかもしれません。

(2016年11月読了)
ほおずき地獄―猿若町捕物帳 (光文社時代小説文庫) ほおずき地獄―猿若町捕物帳 (光文社時代小説文庫)
近藤 史恵

光文社 2009-06-11

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★★★★

猿若町捕物帳シリーズ第2弾。
幽霊騒ぎに乗じて茶屋の主人夫婦が殺された。下手人は夫婦を恨んでいる幽霊だと噂が立つ。
幽霊が出た後には必ず縮緬細工のほおずきが落ちているという。
女性が苦手な“二枚目同心”玉島千蔭はじゃじゃ馬娘との縁談話に悩む傍ら、事件の解決に乗り出すが…。

人の昏い部分に光を当てた、心を抉ってくる話ですが、とても良かったです。

前作同様、通常の千蔭の捜査とお玉という少女のモノローグの二つの物語が同時並行で進み、それらがひとつに融合した時に見えてくる悲しい真実に胸が締め付けられました。

お玉の一途に慕う想いの向かう先に恋の成就はなく、『安珍清姫』の清姫の心境になぞらえたお玉の胸中を思うとやるせなく、悲しくなってきます。

過酷な運命に翻弄されながらも前を向いて生き抜く彼女の姿には女性の強さを感じましたが、そうせざるを得なかった彼女の状況は残酷すぎて、暗澹とした気持ちになりました。

それしにてもちょいちょい挟まれる千蔭の縁談話のエピソード、面白かったです。
この縁談話のオチにはいい意味で膝がガクッとしました・・・。

(2016年11月読了)
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プロフィール
HN:
sis
性別:
非公開
趣味:
読書
自己紹介:
読むのがすごく遅いけど、小さい頃から本を読むのが大好き。

大好きな作家は、ジョン・アーヴィング、筒井康隆、津原泰水、中上健次、桐野夏生、北村薫、金井美恵子、梨木果歩。

コンプリート中なのは宮部みゆき、恩田陸、松尾由美、三浦しをん、桐野夏生、北村薫。今のところ、多分著作は全部読んでいます。
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