豚がつづる読書ブログ
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神様の裏の顔 (角川文庫) 藤崎 翔 KADOKAWA / 角川書店 2016-08-25 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
★★★
「神様」の異名をとるほどの清廉潔白な教師だった坪井の通夜には、多くの人が弔問に訪れ、みな悲しみに暮れていた。
しかし恩を受けたある数人が過去の事実を突き合わせていくと、徐々に神様の裏の顔が明らかになっていく・・・。
タイトルだけで途中までの展開が読めちゃいますね。
三谷幸喜の舞台・映画の『12人の優しい日本人』を彷彿させるものでした。
神様のようだった故人を回想するうちに本当は犯罪者だったのではないか?と7名が推理していくお話ですが、この推理の応酬がちょっとまどろっこしくて冗長。
読みやすい平易な文章なのですがテンポが悪く、物語に没入できませんでした。
ちょいちょい挟み込まれるギャグは嫌いじゃないですが・・・センスがあるかどうかは謎です。
寒いギャグは嫌いな方も多いので不要かもしれません。。。
ラストのどんでん返しは、筒井康隆の有名なミステリを思い出しました。
過去の古典や名作を思い描いてしまうので、どこか既視感のあるストーリーや雰囲気だということだと思います。
新鮮味があまり感じられませんでした。
(2016年12月読了)
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寒椿ゆれる―猿若町捕物帳 (光文社時代小説文庫) 近藤 史恵 光文社 2011-03-10 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
★★★★
猿若町捕物帳シリーズ4作目。
猪鍋屋で食中毒事件が起こり、その後死人まで出てしまうという「猪鍋」、巴之丞が娘に襲われ犯人を捜す「清姫」、北町の堅物同心・大石が金貸を襲った一味の仲間と疑われる「寒椿」という3編を収録した連作短編集。
男前だが女心に疎い堅物の同心玉島千蔭、人気女形役者の巴之丞、聡明できっぷのいい吉原の花魁・梅が枝、千蔭の義母お駒などなど、前作までに登場した人が今作でも総動員し、それぞれ活躍しています。
どのキャラも脇とはいえないくらい存在感があふれていて、かつ物語も高いレベルで安定しているので安心して読み進めることができました。
どの短編も事件が起きてその謎を解く、という流れなのですが、横軸に千陰の見合い話が配置されており、こちらの縁談もどう転がっていくのかとても気になりながら読みました。
今度の縁談相手は、合理的すぎる風変わりな性格のため婚期を逸した女性・おろく。
変わっているけど素直で聡明なおろくと千蔭はお似合いのような気がして、ほほえましい。
応援したくなるけど梅が枝との関係は・・・と、読者としてはやきもきしちゃいました。
出色の出来は、最後の短編「寒椿」。
ただ一度会い、少しの言葉を交わしただけなのに相手を忘れられず、想い続ける。
恋とか愛などの言葉を使わず、簡潔な描写で登場人物の心情を表現してみせる作者の力量は見事。
おろくの想いの切なさ、千蔭の温かさが心に残る味わい深いお話でした。
(2016年12月読了)
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倒立する塔の殺人 (ミステリーYA!) 皆川 博子 理論社 2007-11 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
★★★
戦中から終戦後へかけての女学校を舞台としたミステリ。
空襲で家族を失った女学校の生徒・阿部欣子は、級友の三輪小枝からあるノートを渡される。
そのノートは表紙に「倒立する塔の殺人」と書かれ、数人の女学生の間で書き継がれた物語だった。
小枝にノートを託した先輩・上月葎子が空爆によって死んでしまい、未完となった物語を欣子の視点から解読して欲しい、と小枝は言う。
「倒立」とはいったい何なのか、上月葎子はなぜ死んだのか・・・。
作中小説と現実とが絶妙に絡み合う入れ子構造のミステリ。
入れ子構造というだけでも複雑なつくりになっているのに、語り手の欣子は手記を順番通りに読まないので、読者は頭がこんがらがってきます。
ノートに書かれた作中小説の「倒立する塔の殺人」があり、その小説を書いた少女たちの手記があり、さらにその外側にノートを読む欣子がいて…という入れ子の入れ子となっており、しかもそれぞれ謎が散りばめられています。
事実と虚構が絶妙に同居してて面白いのですが、情報を整理しキーとなる伏線を拾っていくだけで精一杯でした。
また、著者が実際に経験したのであろう戦禍の描写が生々しく、リアルでした。
空襲で家族や友人を次々と失い、死が日常となったことに麻痺してしまう少女たちが虚無感をつのらせていくさまは胸にこたえました。
閉塞的な状況の中、彼女たちは絵画や文学に耽溺したり、ワルツを踊ったり歌ったりといった密やかな楽しみを共有します。
制限されているからこそ、美に触れることで現実からの逃避をはかったり精神の均衡を保っているのかもしれない。
そんな彼女たちが哀れでしたが、人間の渇望に力を与える芸術の大きな力も感じました。
友人の死という物語を必死に紐解こうとする彼女たちには未来への希望も感じることができます。
ミステリの謎解きはよくわからなかったのですが、それだけに終わらない大きな物語世界を堪能できました。
(2016年12月読了)
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プレゼント (中公文庫) 若竹 七海 中央公論社 1998-12 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
★★★
フリーター・葉村晶と警部補・小林舜太郎が交互に探偵役となる連作8篇。
若竹七海さんの本を初めて読んだのですが、人間が持つ暗部を無造作に読者に提示して見せる独特のダークテイストに魅せられました。
救いもなくユーモアもなく、どこにでもある日常的な悪意を作中にぽいっと置いてじわじわ読者を怖がらせるやり方が上手で、イヤミスとも違う怖さを感じました。
誰もが持つ悪の本質の断片が描かれているから、こんなに惹かれるのかもしれません。
あと、葉村晶のキャラがいいんですよねー。
クールで斜に構えてる女性なんだけど、すごく冷たいわけではなくて人間的で不器用な面もある。
なのに、周囲の人間関係には恵まれずいつも事件に巻き込まれる。
普通、こういうキャラって最後にはいい目に遭ったりするもんですが、作者はそんな生ぬるいことはしない主義みたい(笑)。
続編もあるみたいなんで、葉村晶が次にどんな事件に遭うか次も読んでみようと思います。
(2016年12月読了)
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追憶の夜想曲 (講談社文庫) 中山 七里 講談社 2016-03-15 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
★★★
『贖罪の奏鳴曲』の続編。
前作で重傷を負い入院していた御子柴であったが、退院するとすぐに夫殺しの容疑で懲役16年の判決を受けた主婦の弁護を申し出る。
高額報酬を要求する悪徳弁護士で通っている御子柴が、なぜ報酬を望めない主婦の弁護を買って出たのか?
主婦は何を隠しているのか?
クライマックスまで一気読みでした。
御子柴の真意は最後まで明かされず、物語はノンストップで加速していきます。
点と点が結ばれ線になり、線が交錯し面となる展開にはしびれました。
ラストは何となく予想がつきましたが、事件の謎とともになぜ御子柴がこの事件に拘ったかの謎も明らかになり、「贖罪」の言葉の重みに心を動かされました。
御子柴と対決する検察官は岬検事。
なんか覚えのあるキャラクターだなと思ったら、ドビュッシーシリーズ岬洋介の父なんですね~。
二人の対決をまた読みたいと思いますが、この終わり方では次作はどうなっちゃうんでしょう。。
(2016年12月読了)
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sis
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非公開
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読書
自己紹介:
読むのがすごく遅いけど、小さい頃から本を読むのが大好き。
大好きな作家は、ジョン・アーヴィング、筒井康隆、津原泰水、中上健次、桐野夏生、北村薫、金井美恵子、梨木果歩。
コンプリート中なのは宮部みゆき、恩田陸、松尾由美、三浦しをん、桐野夏生、北村薫。今のところ、多分著作は全部読んでいます。
大好きな作家は、ジョン・アーヴィング、筒井康隆、津原泰水、中上健次、桐野夏生、北村薫、金井美恵子、梨木果歩。
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