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★★★★
文化祭の最中、学内で起きた連続盗難事件。
発注ミスで大量に印刷してしまった文集「氷菓」の完売を目指し、古典部の知名度を上げるため奉太郎たちは事件の謎に挑む。
シリーズで一番面白かった!
まず、全体に流れる、文化祭ならではのお祭り騒ぎの雰囲気。
やたらと楽しそうで、わくわく感が伝わってくる。
お料理バトルやクイズ大会の細かいディティールも、本筋に関係ないけども、自分も参加しているような臨場感を高めてくれた。
謎事件に絡んで、部活内の対立や作者探しの横筋も読みごたえがある。
また、今回は登場人物4人の多視点で物語が進んでいく。
前作まではただのお調子者であると思われた里志や、ツッコミ役の摩耶花の内面が掘り下げられ、厚みのある人物像となっている。
(奉太郎の自己韜晦や千反田の好奇心が、少し薄っぺらく見えてしまうほどに。)
特に、『特別』への隔たりを強く感じている里志の葛藤や諦観が、事件の真相とあいまって苦い読後感を残してくれる。
ご都合主義的な奉太郎の姉の裏技行動も、前作からの存在感ゆえ。
飛び道具的存在として今後もちょくちょく出てきそうで、期待大。
★★★
古典部シリーズ第二弾。
古典部の4人が、上級生が文化祭に出展する自主映画の未完のラストについて推理する。
設定に無理があるというか、ラストありきの謎という感じがして正直好きじゃなかった。
ただ、わざと自分を貶めることによって予防線を張って傷つかないようにしている臆病なホータローが、今回は自分から動いていたので何か嬉しかった。
これからも少しずつ変化していくだろうホータローが見ものです。
古典部が何をするところなのか、いつになったらわかるのだろう…。
(2009年3月読了)
★★★
無駄なことは一切しない何事にも無関心な主人公が、ひょんなことから古典部に入り、好奇心旺盛なお嬢様に巻き込まれ、ささいな日常の謎を解いてゆく学園もの。
謎自体は小粒ですが、キャラのとぼけた掛け合いや文科系クラブの独特の雰囲気が妙に楽しいです。
表題作の謎はとてもビターで、10代の頃ならではの青さや切なさが胸につかえました。
(2009年3月読了)
★★★★
犬探し専門の探偵事務所に持ち込まれた、人探しの依頼。
人を喰ったようなタイトルにふさわしく、洒脱で皮肉なお話。
脱力系キャラの主人公、ハードボイルドに憧れているハンペー、元ヤンの妹など、どの人物も味があって魅力的。
ライトな語り口から一転、怒涛のシリアス展開には手に汗を握りました。
女性が読むとスカッとします!
(2009年2月読了)
★★★★
平和な現実を淡々と過ごす高校生の守屋の前に現れた、ユーゴスラヴィアから来た少女マーヤ。
マーヤが守屋たちの日常を再解釈し、一緒に謎を解決することによって守屋の心境にも変化が訪れる。
最大の謎を残したままマーヤは帰国し、その謎を解くため彼らは想い出を元に推理してゆく。
若さゆえの輝きとほろ苦さがつめこまれた、切ない青春ミステリです。
ユーゴスラビアの現状と日本の平和が交錯し、やるせなさと無力感でいっぱいになる。
印象深かったのは、守屋が一足飛びにマーヤの世界に飛びこもうとし、手厳しく拒否される場面。
自分は何ができるのか、何者になれるのか、模索し、あがく守屋のリアルで等身大な姿に共感を覚えました。
できれば思春期の頃にこの小説に出会いたかった。
あの頃のモヤモヤ感の解決にヒントをくれる小説として、10代の自分に手渡したいです。
(2008年11月読了)
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大好きな作家は、ジョン・アーヴィング、筒井康隆、津原泰水、中上健次、桐野夏生、北村薫、金井美恵子、梨木果歩。
コンプリート中なのは宮部みゆき、恩田陸、松尾由美、三浦しをん、桐野夏生、北村薫。今のところ、多分著作は全部読んでいます。