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★★★★
自分の存在しないパラレルワールドへと迷い込んでしまったリョウ。
生まれなかったはずの姉が存在するこの世界では、元の世界とは様々なことが微妙に食い違う。
二つの世界の「間違い探し」をしながらそこで3日間を過ごした彼は、ある事に気づく…。
冷えきった家庭で育ったリョウは、「どうしようもないことは受け入れるしかない」という彼なりの処方箋を持って生きている。
そんな彼がもう一つの世界で過ごすうちに気づいた事実には、読んでいて思い切り頭を殴られたようなショックを受けた。
姉の性格が物語を明るくしているが、それが一層、苦さを浮き彫りにしていて読むのが辛かった。
物語はラスト、割り切ることのできない苦さをもって幕が引かれる。
生きるということは、数多の分岐点で常に何かを選び取っていくものであり、その結果は自分で贖うしかないのだろうか。
かなり滅入るので、心が弱ってる時には読みたくない本。
ページを閉じても心に残り続ける本を傑作と言うならば、間違いなくこの小説は傑作だと思う。
(2011年3月読了)
高額報酬のアルバイトに応募し、地下施設「暗鬼館」に送り込まれた12人。
そこで起こる殺人事件。参加者は日に日にその数を減らしていく…。
「そして誰もいなくなった」系の凝りに凝った本格ミステリ。
お約束のガジェットと、けれん味たっぷりの世界観が楽しい。
先の読めない展開に、最後まで気持ちよく振り回されました。
ラストに関してはちょっと不満が残りましたが、おおむね面白かったです。
(2011年7月読了)
古典部シリーズ4作目。
入部直後から春休みまでの1年間を描いた短編集。
今回も千反田の「わたし、気になります」にホータローが振り回され、
小粒な日常の謎を推理していく。
相変わらず省エネ主義のホータローなんですが、とうとう彼にも変化が訪れます。
青春時代をとっくに卒業した読者の私から見ると、小難しい理屈をこねまくる彼らはいかにも青く、小賢しく、若いっていーなーって感じです。
もっと悩んでもがいて、その感情に名前を与え、対峙してほしいです。
そのうち、感情の高まりに飲まれてしまうホータローが見れそうで、期待大。
(2011年2月読了)
★★★
旧家の館を舞台にした奇妙な味のミステリ連作集。
各話につながりのない短編集かと思いきや、読んでいくうちに「バベルの会」という大学の読書サークルを軸とした連作集だとわかります。
怪しく不穏な感触を持つお話たちは、いつもの米澤さんとは全く異なる作風なので驚きました。
毎回それぞれに仕掛けられた濃密な悪意を眼前につきつけられ、目を逸らしたいのに逸らせない怖さ。
悪意がおぞましければおぞましいほど、人は感情を揺さぶられ、その甘美な空恐ろしさに魅入られてしびれちゃうのかもしれません。
つかの間の、現実からの逸脱を味あわせてくれます。
(2010年1月読了)
★★★★
小市民シリーズの第三弾。
前作で、別の道を選んだ小鳩君と小山内さん。
それぞれが別の相手と付き合うこととなり、疎遠のまま、周囲では連続放火事件が発生する。
事件を追う校内新聞部の背後には、小山内さんの不穏な動きが見え隠れし、疑惑を駆り立てる。
事件自体は小粒で二人の関係がむしろ主軸となっているようですが、彼らを覆う緊張感が何とも刺激的で楽しんで読めました。
もはや小市民でいられない事を自覚している二人が、最終的にその肥大化した自意識や顕示欲に対しどう決着をつけるのか、次回作も楽しみです。
(2009年11月読了)
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大好きな作家は、ジョン・アーヴィング、筒井康隆、津原泰水、中上健次、桐野夏生、北村薫、金井美恵子、梨木果歩。
コンプリート中なのは宮部みゆき、恩田陸、松尾由美、三浦しをん、桐野夏生、北村薫。今のところ、多分著作は全部読んでいます。