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豚がつづる読書ブログ
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★★★★

親子間の禁忌の関係を描いた話。
顔をそむけたくなるほどグロテスクだと感じたのは、誰にでも親は存在するゆえに誰にでも起こりうることだということを白日の下にさらけ出されたからかもしれない。

親は子どもの永久機関であり愛情を与え合う、という親子関係ばかりではなく、淳悟と花のような奪い合う関係も存在する。
この血の鎖が連綿と続いていくと思うとおぞましくも美しく、ぞっとしない。

時系列をさかのぼって章を重ねるごとにヘビーな展開になっていくが、逆に世界の明度が上がっていくような、どこか透徹とした雰囲気をただよわせていく。
幾度も繰り返される北の海の描写がそう思わせるのかもしれない。
この厳しい海の描写は印象的で、すばらしく心にしみる。

結末に至った後に第一章のラストを読み返すと、喪失感で切なくなった。

(2008年2月読了)

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自己紹介:
読むのがすごく遅いけど、小さい頃から本を読むのが大好き。

大好きな作家は、ジョン・アーヴィング、筒井康隆、津原泰水、中上健次、桐野夏生、北村薫、金井美恵子、梨木果歩。

コンプリート中なのは宮部みゆき、恩田陸、松尾由美、三浦しをん、桐野夏生、北村薫。今のところ、多分著作は全部読んでいます。
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