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豚がつづる読書ブログ
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メイン・ディッシュ (集英社文庫) メイン・ディッシュ (集英社文庫)
北森 鴻

集英社 2002-03-01

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★★★

ある雪の日、劇団女優のユリエはミケさんという男と出会い、一緒に暮らし始めた。
プロ顔負けの料理の腕を持っているミケさんは、劇団が遭遇する事件も見事に解決に導いていく。
しかし、過去を明かさない彼には誰にも言えない秘密があった。
ミケさんこと三津池修とは何者なのか――。

連作短編集ですが、二つのストーリーが交互に語られるうちに中盤で絡み合い、一つの本流の謎へとつながっていく…その展開にもまた二重三重の仕掛けが施され、最後まで気を抜けませんでした。

登場人物たちも、みんな魅力的でした。
おいしそうな料理を作りながら飄々と推理をしてみせるミケさんの佇まいも素敵。
サバサバした性格のユリエも好感が持てました。
男性作家が描く女性はステレオタイプが多いので違和感を感じるのですが、ユリエの人物像はリアルで親しみがもてます。
劇団の座付き作家の小杉も、いい味出してましたねー。
毎回、的外れの推理を披露するピエロの役割を担っているのですが、愛嬌があって何か憎めない。
核心を突いた推理をするかと思ったらいきなり突飛な方向にいっちゃって大きくはずしたりとか。
彼が一番魅力的かもしれない。
梁山泊のような劇団のわちゃわちゃした雰囲気も良いし、いつまでも読んでいたい、終わりが来るのが寂しいと思わせてくれました。

ただ、長編としては構成も凝っているしストーリーのメリハリもあって面白く感じるのですが、各短編の謎解きには首を傾げてしまうものもありました。
辻褄合わせというか、説得力に欠ける無理矢理な推理もあって、「有り無しでいえば無しかな・・・」って感じ。
そこが少し残念です。

(2018年5月読了)
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趣味:
読書
自己紹介:
読むのがすごく遅いけど、小さい頃から本を読むのが大好き。

大好きな作家は、ジョン・アーヴィング、筒井康隆、津原泰水、中上健次、桐野夏生、北村薫、金井美恵子、梨木果歩。

コンプリート中なのは宮部みゆき、恩田陸、松尾由美、三浦しをん、桐野夏生、北村薫。今のところ、多分著作は全部読んでいます。
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