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豚がつづる読書ブログ
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★★★★★5つ!

一篇につき一つのお菓子を巡ってお話が展開されていく、掌小説。
数ページのお話の中に詰め込まれた登場人物たちの不安や倦怠を、4時のオヤツが柔らかくしてくれる。

大事な人と一緒に食べたオヤツの味は、想い出の情景を蘇らせ、時には今の自分を慰めてくれる。
巻末の店舗一覧を見ると、今はもう無いお店もあるが、たとえ店が無くなろうとも、その味は想い出の中に存在している。

日向子さんはもう亡き人だが、彼女が遺したものはこんなにも人の心をノックしてくれる。
私の心の中には想い出のオヤツがあり、また、日向子さんも存在しているのだ。

添えられたオヤツの写真も目に楽しく心にやさしい、すみずみまで楽しめる小説です。

(2008年7月読了)
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★★★★

負け犬バリキャリOLの、仕事や人間関係バトルを描いたお話。

軽く読みやすい文章ながら、悪意や嫉妬にまみれた会社という場をうまく描いてあり、共感しまくり。
自分を傷つけないように殻をかぶり戦いに挑む彼女の姿が、とっても愛しい。

明日も頑張って会社に行こうと勇気づけられた。

…ただ、タイトルがちょっとダサいと思います。

(2008年2月)

★★★★★5つ!

戦後最大の謎・下山事件の真相に迫った圧倒的なノンフィクション。
タイトルに「最後の証言」とあるが、情報の多さや論理の深度の点において、まさに棹尾を飾るにふさわしい読みごたえ。

GHQ・右翼・CIA・三菱など、様々な利権と膨大な数の関係者から成る複雑な背後関係について丁寧に記述され、初めてこの事件に触れる私のような読者にも理解しやすい。

ただ、明らかになった事実と推測が山ほど盛りこまれ、少し散漫な印象を受けた。

膨大な情報を著者が消化しきれていないのか、それとも意図的に情報を取捨選択して提示しているのか、論理が錯綜している部分もある。
そのため、著者が知り得た真相が真実かどうかは読者には判断できない。

ノンフィクションと言うよりは、迫真のミステリとしてのめりこむようにして楽しんだ。

(2008年1月読了)
★★

感受性が強く、優れた観察眼を持っているために精神異常を疑われた女性たち。
その彼女達の心の屈折を読み解いていく、精神科医の尽力を描いた連作集。

精神的に追い詰め、罪を犯すように仕向けた者たちは裁かれることは無い。
本当に罪に問われるべきなのは加害者ではなく、仕向けた側ではないのか、という主張は著者の他の作品でも度々登場する。

まっすぐすぎて痛いくらいだが、主人公達の心に寄り添って描かれた心情は共感できた。

4編の連作が全て似たような話で少し飽きてしまったけど、読後感のよい小説だった。

(2007年11月読了)
★★★

財産家のおばの家を訪れた涼子といとこ達。
ここで二年前におばの養女・千波は命を落とした。
そしてまた、館で次々と起こる殺人事件。

<館もの>の先駆だが、ミステリというよりは、主人公・涼子のリリカルな視点によって語られる少女小説という感じ。

登場人物たちの理屈っぽくてペダンチックな会話には正直ついていけなかったが、頑なで独特な物語の雰囲気に良く似合ってる。

続編はこれ以上に甘甘らしいので、読み通せるかどうか。。

(2007年8月読了)
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プロフィール
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sis
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趣味:
読書
自己紹介:
読むのがすごく遅いけど、小さい頃から本を読むのが大好き。

大好きな作家は、ジョン・アーヴィング、筒井康隆、津原泰水、中上健次、桐野夏生、北村薫、金井美恵子、梨木果歩。

コンプリート中なのは宮部みゆき、恩田陸、松尾由美、三浦しをん、桐野夏生、北村薫。今のところ、多分著作は全部読んでいます。
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