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文庫版 死ねばいいのに (講談社文庫) 文庫版 死ねばいいのに (講談社文庫)
京極 夏彦

講談社 2012-11-15

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★★★

殺された派遣OLの亜佐美の事を知りたいと、若い男・健也が関係者を訪ねて歩く。
誰もがいぶかしみながら亜佐美について話し始めるが、話すのは自己正当化された言い訳ばかり。
健也はその自己欺瞞を暴き、言い放つ――「なら、死ねばいいのに」。


話を聞く先々で、健也は関係者たちが隠しておきたい事実や欺瞞を暴いて論破し、ばっさばっさと切り捨ててくれるので、思わず爽快感を味わえます。
でもその欺瞞は誰にでも覚えがあるような感情なので、爽快感と共に、後暗いところを指摘されたような感じがして、生まれてきてすみませんと懺悔したくなりました。

そんな感じで読み進めていくと、終盤では健也と亜佐美がまるで別人のように。
それまでの人物像と落差があり、違和感を覚えました。
なんだか人の顔をしたあやかしのよう・・・。

結局、「自分をごまかさず、死ぬ気で頑張れよ!」ってことなのかな。
そんな説教めいたことを描きたかったのか??

どこが面白いのかよく解らなかった作品でしたが、後味の悪さは天下一品です。
それを狙って描いたのなら、大当たりですよ、京極さん!

個人的に、京極さんの独特の言い回しが苦手なので京極作品を7年ぶりくらいに読んだのですが、この文章は中毒性があるのか、クセになりそう。
また読み返そうかな。

(2013年5月読了)

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自己紹介:
読むのがすごく遅いけど、小さい頃から本を読むのが大好き。

大好きな作家は、ジョン・アーヴィング、筒井康隆、津原泰水、中上健次、桐野夏生、北村薫、金井美恵子、梨木果歩。

コンプリート中なのは宮部みゆき、恩田陸、松尾由美、三浦しをん、桐野夏生、北村薫。今のところ、多分著作は全部読んでいます。
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