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豚がつづる読書ブログ
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あきない世傳 金と銀〈3〉奔流篇 (時代小説文庫) あきない世傳 金と銀〈3〉奔流篇 (時代小説文庫)
髙田 郁

角川春樹事務所 2017-02-14

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★★★

大坂天満の呉服商「五鈴屋」に女衆として奉公する幸はその聡明さを買われ、店主徳兵衛の後添いとなるが不慮の事故で夫を失う。

四代目の弟の惣次は「幸を娶ることを条件に、五代目を継ぐ」と宣言。
果たして幸はどのような運命を選び取っていくのか。

前作から怒涛の展開で物語は進み、これからどうなるんだろう、と気をもみながら読みました。

幸の美貌と商才に惚れこむ惣次は、幸の結婚相手としても商売のパートナーとしてもこの上ない相手だと思いましたが、途中から暗雲たちこめる展開に。
自分を上回る妻の才能に嫉妬する夫・惣次の姿には既視感あふれるものを感じました。
こういう器の小さい男は現代にもいっぱいいますよね~。
会社で仕事のできる女性に嫉妬して、女性の足を引っ張る男性を見たことがあります。
現代にも通じる男女のパワーバランスに、大いに頷きました。

ただ、毎回ジェットコースター展開にはわくわくさせられるのですが、主人公の幸の商才と美貌が毎回称賛され強調される展開には少し飽きてきました。

前作『みをつくし料理帖』の澪は逆境にもめげず毎回努力している様子が語られたので、都合の良い展開でもあまり疑問を持たなかったのですが、『あきない世傳』の幸は境遇に流されるばかりでまだ本人の努力が見えないので出来すぎな展開にもやもやしちゃいます。

でもこれから幸の本領が発揮されると思うので!また次巻を楽しみにしてます。

(2017年9月読了)
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鯖猫(さばねこ)長屋ふしぎ草紙 (PHP文芸文庫) 鯖猫(さばねこ)長屋ふしぎ草紙 (PHP文芸文庫)
田牧 大和

PHP研究所 2016-11-09

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★★★

ある江戸深川の貧乏長屋でいちばん幅をきかせているのは、なんと猫だった。

人呼んで「鯖猫長屋」。
猫の絵ばかり描く売れない絵師の拾楽(飼い主)と猫のサバが、長屋の人々の間に起きた様々な騒動を解決していく。

長屋に謎めいた女性が引っ越してきてからさまざまな騒動が起こり、平穏だった長屋の連中の間に不穏な空気が立ち込めていきます。

連作短編集なのですが、各章の冒頭に「問わず語り」という何者かの独白がはさみこまれ、背後に隠された一つの大きな謎がだんだん明らかになっていきます。
その裏側の謎を推理していきながら短編のちょっとした騒動も楽しむという、一粒で二度おいしい構成になっていて、お得感がありました。
でも背後の大きな謎はバランス良く配置されているので、本筋を邪魔することはありません。
その配合具合がとても読みやすく、作者のさりげない手腕を感じました。

また、本書の魅力は個性的な登場人物たちのテンポのいい会話にもあるのですが、一番の見どころは猫のサバのふてぶてしいけど存在感あふれるキャラクターです!
普段はやたらと偉そうなのに長屋の危機にはちゃんと人間たちを守るように立ち回っていて、ツンデレ度合がかわいい。
猫に対してそんなに興味のない私でも萌えたので、猫好きにはたまらないだろうな~。

またサバと絵師の拾楽のコンビ探偵を読みたいので続刊を読む予定です。

(2017年9月読了)
アキラとあきら (徳間文庫) アキラとあきら (徳間文庫)
池井戸潤

徳間書店 2017-05-17

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★★★

父の経営する町工場の倒産を見て育った山崎瑛(あきら)と、名門海運企業の創業家に生まれ、英才教育を受けて
育った御曹司、階堂彬(あきら)。
同じ名前ながらも対照的な生い立ちの二人は、矛盾や困難を乗り越えてバブル経済期に銀行員となり、互いを認めながらバンカーとしての才能を開花させ、さらなる難題に立ち向かう──。

二人のあきらの30年の成長を700ページにわたって丁寧に描いたストーリーです。
小学校を起点として高校から大学、バブル期の就職から中堅社員となるまで、実在の人物の30年を観察しているかのような気持ちになりました。

金に翻弄される青少年期を送った二人はそれぞれ目的を抱いて銀行に就職するわけですが、その様子をつぶさに描いているので、読者の頭の中に説得力のあるリアルな実像として浮かんできます。

中盤以降の、取引先との融資交渉や同族企業経営の難しさを描いた劇的な展開には手に汗を握りながら一気読み。
バブル期に建てたホテル事業の不採算により本業まで不振に陥った企業をどのように復活させるのか、知恵を絞る二人の苦悩と葛藤が見事でした。

「倒産した町工場」「銀行員としての矜持」など、いつもの池井戸作品と同じ要素が入っていますが、今回は経営者側の苦労が丹念に描かれているので一味違った読み心地でした。

欲を言えば、思ったほどアキラ二人の会話が無く、接点が薄い気がします。
あと、終盤は御曹司のアキラのほうの話が中心となるので、もう一人のアキラのエピソードももうちょっと読みたかった。
二人のアキラの配分が悪い…でも全体のバランスを考えればこれが最良かもしれません。

配られたカードで勝負するしかない人生の残酷さと、それを乗り越えようとする強い意志の力に圧倒される作品でした。


(2017年8月読了)
ヒポクラテスの誓い (祥伝社文庫) ヒポクラテスの誓い (祥伝社文庫)
中山七里

祥伝社 2016-06-15

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★★★

研修医の栂野真琴は単位不足のため、法医学教室に入ることに。
傲岸不遜な解剖医の光崎教授と死体好きの外国人准教授キャシーに振り回されながらも、真琴は教授の信念と一流の解剖技術を目の当たりにし、法医学にのめりこんでいく。
何の事件性もない遺体を強引に解剖しようとする光崎教授の真意は―—。

5つの連作短編集。
テンポと歯切れのいい文章と、キャラ立ちしている登場人物たちが生き生きと活躍する緩急ある構成に、夢中になって読みました。

どの登場人物も魅力的で、彼らが繰り出す明解な会話や医療に対する真摯な態度にはしびれました。
古手川刑事もキャシー教授も良いのですが、中でも光崎教授の突出したキャラの濃さが半端ない。
「生きている人間は嘘を吐くが、死体は真実しか語らない」という彼の言葉。
数多の死体と向き合ってきた、不遜な性格ながらも凄腕の技術を持つ彼だからこそ言える、短いけれど含蓄のある言葉は後々効果的に響いてきます。

また、「異状死」でもほとんどは解剖されず立件されないという日本の司法解剖の現状や、解剖を忌避する日本人独特の遺族心理など、自分の無知を思い知らされる点もたくさんありました。

人間の実態を見すえる徹底したリアリズムの眼差しは、読者をクライマックスへと力強く導いてくれます。

解剖までの手続きや医療知識が間違いだらけという感想を書いている方もいるみたいですが、エンタメとして楽しめたので気になりませんでした。

(2017年8月読了)
時限病棟 (実業之日本社文庫) 時限病棟 (実業之日本社文庫)
知念 実希人

実業之日本社 2016-10-06

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★★★

閉鎖された病院に拉致監禁された5人の男女。
なぜこんな場所にいるのか? 犯人の目的は?
時限爆弾の爆発までタイムリミットは6時間。脱出できるのか――

「仮面病棟」の続編。
前作を読んでいたほうがより楽しめます。

スピード感と緊張感あふれる展開は、前作と同様の読み心地。
大掛かりなトリックと脱出ゲームの臨場感にはワクワクさせられ、リーダビリティが高かったです。
謎は結構オーソドックスで目新しさはないですが、楽しんで読めました。
人物造形と謎解きのテクニックは今一つ。

何度も読みたいかというと…1回でいいや、って感じです。

(2017年8月読了)
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プロフィール
HN:
sis
性別:
非公開
趣味:
読書
自己紹介:
読むのがすごく遅いけど、小さい頃から本を読むのが大好き。

大好きな作家は、ジョン・アーヴィング、筒井康隆、津原泰水、中上健次、桐野夏生、北村薫、金井美恵子、梨木果歩。

コンプリート中なのは宮部みゆき、恩田陸、松尾由美、三浦しをん、桐野夏生、北村薫。今のところ、多分著作は全部読んでいます。
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