豚がつづる読書ブログ
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はじめからその話をすればよかった (実業之日本社文庫) 宮下 奈都 実業之日本社 2016-04-28 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
★★★★
宮下奈都さんの初エッセイ集。
宮下奈都さんのエッセイは初めて読んだのですが、宮下さんって、小説作品数の割にはエッセイ集を多く上梓されている気がします(確か、今のところ4冊も出してる)。
その真摯で心地よい温度の小説をどのような方が書いているのだろうと思う読者が多いからではないか・・・と勝手に考えたのですが、そんなわたしの予想を裏切らず、優しくてほのぼのとした世界観が垣間見られるエッセイでした。
家族と小説を愛し、穏やかな日常をいとおしむ姿勢が素晴らしい。
こんな、ささいな日々の何でもないことから抽出した言葉が積み重なって小説となり、読み手に新しい視座を得るという体験を味わわせてくれるんだなあ…。
読んでいるとなんだか目頭があつくなってくる。
読んでいるとなんだか目頭があつくなってくる。
またいつか読み返したい。
(2018年8月読了)
(2018年8月読了)
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親不孝通りラプソディー (講談社文庫) 北森 鴻 講談社 2012-01-17 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
★★★
「鴨ネギコンビ」のキュータとテッキの高校時代。
羽目を外したキュータは美人局に嵌められ金に窮し〈狂犬〉キョウジと共に信用金庫の裏金を強奪する。
警察の射撃訓練場で拾った弾丸を現場に残し、捜査を撹乱させるが、彼らの計画はいつしか歯車が狂い始めた。
高校生たちのいたずらはヤクザ・警察・脱北者グループをも巻き込んだ大事件へと発展し・・・。
「親不孝ディテクティブ」の続編でありながら、前日譚となっています。
キュータは若いころからお調子者で女好き、テッキのクールな佇まいも変わらず。
二人とも、暴力団と戦ったり、銀行強盗したり、女とすぐに懇ろになったり…こんな高校生いるかよ!と思いつつ、博多弁の軽快なリズムと、緊迫した中でもとぼけたユーモアに縁どられた展開にのめりこむように一気読みでした。
キュータとテッキだけでなく、元警察官の麻生やキュータの面倒を観てきた仙ジイ、テッキの同棲相手など、登場人物が各々の思惑で縦横無尽に動き回って状況が目まぐるしく変わり、展開についていくのが大変でした。
着地点の見えないコンゲームとしては出色の出来で、作者の筆致に思いっきりブン回されるのが快感になってきます。
よく考えるとトンデモ展開が多いんだけども、二人の若いパワーに触れているうちに前向きな気持ちが心に満ちていくような、元気をもらえるお話でした。
(2018年8月読了)
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ふたつのしるし (幻冬舎文庫) 宮下 奈都 幻冬舎 2017-04-11 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
★★★
周囲から浮かないように、過剰に空気を読み居心地の悪い中学校生活を送る遥名。
逆に、空気を全く読まず、興味のあることに夢中になると周りが一切見えなくなり、落ちこぼれてしまった少年ハル。
そんな二人のハルが出会うまでの、それぞれの成長や足取りを交互に描いた連作風長編小説。
二人のハルの肩先から見える世界は息苦しい。
特に少年ハルは発達障害というのか、学校の集団生活に全く馴染めず、読んでいていたたまれない気持ちになりました。
遥名もうまく学校で立ちまわるものの、不器用すぎて生きづらさを抱えている様子は自分の10代の頃を思い出して切なくなります。
終盤、紆余曲折あった二人が運命的に出会うシーンでは、世界を肯定する強い力がみなぎっており、圧倒的な多幸感を感じさせてくれます。
いろんな幸せの形について描かれており、考えさせられました。
幸福とは何か、他人から見たら不幸であっても誰がそれを幸せではないと決められるのか。
幸福を測る物差しは人それぞれ、そんな思いにさせてくれる滋昧に満ちたお話でした。
(2018年8月読了)
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若桜鉄道うぐいす駅 (徳間文庫 か 46-1) 門井慶喜 徳間書店 2014-10-03 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
★★
鳥取県のローカル鉄道のうぐいす駅には、昭和初期に著名な建築家が設計したとされる駅舎があった。
しかし、病院誘致のための駅舎取り壊し解体か、保存かで田舎町は揺れていた。
大学院生の芹山涼太は村長である祖父の命令で、駅舎の歴史を調べていくうちにある事実に気づく・・・。
若い主人公の一人称で話が進んでいくので、軽く明るいタッチでとても読みやすかったです。
主人公の涼太は、駅舎保存派の恩師筋と解体派の祖父の板挟みとなって右往左往し、あげくの果てには村長選に出馬することになってしまいます。
テンポ良く話が動いていくので出来のいいスラップスティックコメディ映画を観ている気分になりました。
歴史的建築物のうんちくや具体的すぎる選挙戦術も面白かったし、田舎独特の人間関係や過疎化事情もリアルで読みごたえがありました。
中盤までは中々楽しめました・・・が、ネタバレになっちゃうのであまり書けないけど、お話をきれいにまとめたいせいなのか終盤の展開が雑でした。
肝心の駅舎の謎についても、根拠に乏しい推測であっさりと解決してしまい不満が残ります。
また、涼太が何を考えているかよくわからないので共感しにくかった。
この理由はラストのどんでん返しのための仕掛けだったと最後にわかるのですが、もう少し工夫して描かないとただの優柔不断なナヨナヨした奴と読者に思わせてしまい、読む推進力が削がれてしまうと思いました。
あと、突然生々しい性描写が挿入されてて、びっくりしました。
これ、必要ないと思うわ~。
しかも、いかにも男子大学生の視点から成る稚拙な性描写だったので萎えました。
(2018年8月読了)
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酔ひもせず: 其角と一蝶 (光文社時代小説文庫) 田牧 大和 光文社 2017-11-09 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
★★★
芭蕉の高弟である俳諧師の其角は、絵師の多賀朝湖(後の一蝶)の魅力にひきつけられ、9歳年上の彼と友だち付き合いをするようになる。
朝湖は狂雲堂と名乗るたいこもちでもあり、吉原では知られた存在だった。
ある日、吉原の遊女がもらった屏風に描かれた子犬が動き、それを見た遊女が次々と消える事件が起きた。
謎を追う二人は事件の真相に迫るが…。
其角と一蝶のコンビが良いです。
頭は切れるが不器用な其角と、理屈ではなく情で動く豪放磊落な一蝶。
蕉門のまとめ役ながらも周囲に溝を感じて屈託のある其角は、人を惹きつけるがそれでいて心にどこか暗闇を抱えている一蝶と一緒にいると、自然と振舞うことができ本当の自分になれる。
ブロマンス風の二人の絆には少しモヤモヤしますが、このお話の見どころは遊女たちの哀しい生きざま。
苦界に身を沈めた遊女たちの儚くも美しい恋や外への憧れ、そして諦観。
ささやかな幸せを求めながらもお互いを思いやる遊女たちの姿は胸につかえ、深い余韻を残します。
そして、謎がきれいに解かれ、次巻ではまた二人が事件を解決していくのかと思いきや…後日談は唐突であっさりしすぎていて不満が残ります。
暁雲が背負う過去の解決は膨らませれば一冊にはなるのに、数頁で終わってしまってもったいない。
もっと、二人が酒を飲みながらわちゃわちゃして事件に遭遇するお話が読みたかった!
二人が友人になるまでの前日譚が刊行されているようなので、そちらも読んでみようと思います。
(2018年7月読了)
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sis
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趣味:
読書
自己紹介:
読むのがすごく遅いけど、小さい頃から本を読むのが大好き。
大好きな作家は、ジョン・アーヴィング、筒井康隆、津原泰水、中上健次、桐野夏生、北村薫、金井美恵子、梨木果歩。
コンプリート中なのは宮部みゆき、恩田陸、松尾由美、三浦しをん、桐野夏生、北村薫。今のところ、多分著作は全部読んでいます。
大好きな作家は、ジョン・アーヴィング、筒井康隆、津原泰水、中上健次、桐野夏生、北村薫、金井美恵子、梨木果歩。
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