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豚がつづる読書ブログ
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★★★


フリーライターの真以が仕事場がわりに通う東京郊外の寂れたファミレスには、名探偵のハルお婆ちゃんがいる。

真以に持ちこまれた風変わりな事件をたちどころに解決してくれるハルさんには、ある秘密が――。

「ハートブレイク・レストラン」シリーズの第三弾にして、完結編。

日常ミステリの連作短編集なのですが、謎は小粒で、ちょっと微妙。
中には少し毒気が含まれたお話もありますが、全体的には薄味です。
ハルさんの推理が当たっているかどうかも明かされない場合もあるので消化不良の感もあり。

でも、ミステリよりも、ほのぼのとしたハルさんや真衣の会話に何だか癒されます。
ハルさんだけではなく変わり者の女刑事・小椋さんや強面のファミレスの店長のキャラもいい味を出してるし。
彼らの会話を読んでいるうちに、自分もファミレスの末席で一緒に謎談議に参加しているような、そんなあたたかな気分になれるのです。

ラストのハルさんの言葉も、すごく良かった!
「さよならだけどさよならじゃない」なんて歌が昔ありましたけど、まさにそんな未来への展望が感じられるラストにはグッときました。

(2018年12月読了)
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★★★

ある日キリコは、見知らぬ女性から「夫の浮気を調査してほしい」と頼まれる。
その越野真琴という女性によると、夫の友也は残業は無いのに毎日遅く帰ってくるという。
調査を始めたキリコと大介だったが、ある日友也が交通事故で記憶喪失になり問題は思わぬ方向に…。
清掃人探偵キリコシリーズの第4弾。

シリーズ初の長編。
今回は初めてキリコと夫の大介が協力して謎の解決に取り組んでいます。
久しぶりに大介の視点から物語が進んでいくのですが、キリコとの日常生活が初めて描かれていて、何だかほっこりします。
二人の仲が良すぎて、羨ましくなるほど。

肝心の謎解きは正直…微妙でした。
途中で結末が何となく予測できちゃうし、謎の規模が短編並。
短編でもいいお話を、無理に長編に引き伸ばした感が有り。

でも、真相自体は切なくも考えさせられるものでした。
恋情や愛情を感じることはできなくても、他人と寄り添って生きていくことはできる。
夫婦や人間関係のかたちなんていうものは人の数だけあるのかもしれません。

キリコと大介のイチャイチャがやたらと描かれたのは、真琴と友也の夫婦関係との対比だったのか…といま気づきました。

(2018年11月読了)


★★★★

流行のファッションに身を包むキリコは清掃の仕事のついでに事件も人の心もクリーンにしてしまう──というお掃除ミステリ。
「女清掃人探偵」シリーズの第3弾。

今回は4編の短編が収録されていますが、一番読みごたえがあったのが他の短編よりも長い中編の「第二病棟の魔女」というお話。
小児病棟で噂される魔女騒動。新人看護師が遭遇した魔女の正体とは。
そして少女の入退院の理由とは…。

いつものようにキリコが探偵役と思いきや、中盤でキリコが謎の中心に据えられています。
読者をミスリーディングさせて煙に巻き、真相に至るまでのスリリングな展開に至らしめる手腕は見事で(ちょっと強引だけども…)、先の読めないワクワク感を味わえました。

前作と同様、仕事や人間関係に悩み立ち止まる人間がメインに描かれています。
他人との距離をはかりかねている新人看護師だったり、妹との確執に悩む女社長だったり。

彼らに対しキリコは対処方法を示唆し、その上、できるだけ相手に寄り添おうとしてくれます。
そんな彼女の真摯な気持ちが自然と伝わり、登場人物たちも読者も皆、キリコのことを好きになってしまいます。
ままならないことも多い世の中だけど、苦しい時や悲しい時はキリコがいてくれる、そう思うだけで何とかやっていけそう。
大袈裟ですけどそんな気持ちになれます。

作者は人の悪意がむき出しになる瞬間の描写がうまく、毎回ぞっとしますが、人の持つ善良な部分とそうでない部分を読み手につきつけ、いろいろなことを確認させてくれているのかも…と思います。

(2017年7月読了)

★★★

鳥類学者の相馬日和の妻・相馬凛子は、日本初の女性総理大臣となった。
「総理の夫」という立場になった日和は、妻を支えることを決意。
景気低迷・消費税増税・社会保障などの問題は山積みの上、凛子を陥れる陰謀もちらついて…

政治が舞台なので重い話かと思いきや、テンポ良く綴られた読みやすい政治エンタメ小説という感じでした。
大財閥の次男坊である浮世離れした日和やカッコ良くて完璧すぎる凛子はコミカルで漫画風だけどキャラが立っており、読み口を軽くしています。
日和の母も憎めないキャラで、物語のアクセントになっていました。

さまざまな課題を抱える現状に対し、権謀術数やしがらみに屈せず自らの信念を貫く凛子の姿は素晴らしいのですが、ご都合主義的な展開もあり、少し物語の荒さを感じました。
また、女性総理とその夫という設定ですが、性差や物珍しさはあるものの、別に男女逆でも違和感もなく…多少新鮮だよね、くらいの印象。

ドラマ化しそうなお話なので、キャストを考えながら読むのも楽しかったです。
夫婦愛の話でもあるので、肩が凝らずに気楽に読めました。

(2017年8月読了)


★★★

お洒落で派手な服でビル掃除をするプロの掃除人キリコが、仕事先で出会う人々のトラブルを解決していくシリーズ
第二弾。

さまざまな職場で働く人を主役に据えた連作短編集。
毎回、キリコの深い洞察力によって事件があざやかに解決されるのですが、それだけではなく、事件に関わる人々の悩みもすっきりさせてくれます。
読んでいるこっちまで気持ちよくなれるし、彼女の仕事に対するプライドやまっすぐな強い意志も心地いいです。
背筋が伸びて、明日も仕事頑張ろう、という気持ちにさせてくれました。

最後の一編はキリコとその家族のお話。
他の短編では隠れていたキリコの心情が垣間見え、彼女が弱い部分も持った一人の人間として立ち上がってきます。
身近な等身大の女性としてたまらなく魅力的でますますファンになっちゃう。

読後感もいいし、すごく好きな短編ですが、仕事を抱え込んじゃうキリコが心配。
介護、仕事、家事に親戚の無理解も加わりキリコはかなり辛い状況。
現実ではよくある話かもしれませんが、なんで夫の祖母の介護を他人である妻がやらなくちゃいけないんだろう。
祖母の息子や娘がやるべきなんじゃないのかなー、とモヤモヤしてしまい、爽やかなラストをいまいち楽しめませんでした。

(2017年7月読了)
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プロフィール
HN:
sis
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趣味:
読書
自己紹介:
読むのがすごく遅いけど、小さい頃から本を読むのが大好き。

大好きな作家は、ジョン・アーヴィング、筒井康隆、津原泰水、中上健次、桐野夏生、北村薫、金井美恵子、梨木果歩。

コンプリート中なのは宮部みゆき、恩田陸、松尾由美、三浦しをん、桐野夏生、北村薫。今のところ、多分著作は全部読んでいます。
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