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★★★★★5つ!
若手太夫の健が、文楽の修行や恋に悩みながらも成長してゆく物語。
章ごとに一つの演目内容を紹介しながら掘り下げていくというスタイルで、文楽に全くなじみのない私にもとても読みやすかった。
健は自分なりに作品を咀嚼し、身近なことからヒントを得て演目の登場人物を演じていく。
最初は理解しがたい文楽の登場人物が、恋や憎しみという感情に言葉を与えられることで実体を持ち、本のこちら側にいる自分をも揺さぶってくる。
そのまざまざと立ち上がった虚構の人間臭い姿は力強く、読み応えがあった。
また、仕事と恋愛のはざまで懊悩する健が何ともリアル。
個人的には、仕事と恋愛のバランスなんて永遠に取れないものだ、と思います。。
(2008年3月読了)
★★★★
11編の恋愛短編集。
恋愛小説はその甘さが苦手なんだけど、この本は客観的で屈折した話が多くて共感できた。
諦念の河を流れつつ、ゆるぎないもの。
己の闇の淵を覗くような思い。
信仰心に似た、透徹とした感情。
永遠に心にしまわれた片思い。
さまざまな形であらわされた恋愛というものに、改めて素晴らしさと不毛さを感じた。
彼女の描く中年の苦みばしった恋愛小説も読んでみたい…でも多分需要ないな。
(2008年2月読了)
★★★★
陸上初心者が1年で箱根駅伝に目指す、というものすごいうそっこ話。
でも、ページから溢れる熱気に、その世界に引き込まれ、途中でリアリティーなんてどうでもよくなった。
それぞれの孤独、レースへの気負いと緊張、揺れてまた強くなる仲間への信頼。
それら全てがつまった超ストレートな王道の青春小説。
「一瞬の風になれ」とはまた違った面白さ。
読後感がとにかく爽やかで気持ちよかった。
自分は陸上経験者なので、陸上ものなら感情移入も三割増、というか無条件に感動してしまうせいもあるかもしれないけど。。
しみる名言もたくさん。
「大切なのは速さでなく、強さだ。もっと強くなれ。」
(2007年8月読了)
便利屋の主人公が、歓迎できない居候とともに町でいろいろな事件や人々と出会い、成長しトラウマを克服してゆく。
ストーリーはありきたりだけど、テンポ良く展開していくので読みやすい。
キャラが立っていて読みやすい分、ライトノベル(BL風味)のようで、なぜ直木賞受賞したのかかなり疑問(版元が文春だから?)。
作者もこれで受賞したのは不本意じゃないかしら。
主人公の住む町「まほろ市」もまた主人公に据えていると思うが、なんだか中途半端でもっと堀り下げる描写がほしかった。
面白みは少なかったです。
(2006年10月読了)
ほかの妄想ばく進エッセイと比べるといくぶん妄想度が薄く大人しい感じ。
が、本書でもりっぱにオタク道を歩まれてる様子が窺えます。
漫画に対する情熱・本腰の入れようにはシャッポをぬいでしまう。
とくに藤田貴美に言及している回が印象的。
夜中に電話してマンガの話を振ったらいくらでも喋ってくれそう。
そんな夜中のおしゃべりみたいなエッセイなので肩の力が抜いて楽しめる。
(2006年8月読了)
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大好きな作家は、ジョン・アーヴィング、筒井康隆、津原泰水、中上健次、桐野夏生、北村薫、金井美恵子、梨木果歩。
コンプリート中なのは宮部みゆき、恩田陸、松尾由美、三浦しをん、桐野夏生、北村薫。今のところ、多分著作は全部読んでいます。